灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(65)

執筆者:佐野美和 2019年8月18日
エリア: ヨーロッパ アジア
まだ戦争前、家族そろって洋行から帰国した頃(下関市「藤原義江記念館」提供、以下同)
 

 歌劇団内でプリマドンナたちとの色恋を楽しむ義江に、自宅の鎌倉山と東京を往復し主婦業と歌劇団の運営に大忙しのあき。

 そしてこの後、義江の心を虜にし、すべてを破壊する女の足音が、もうかなり近くまで忍び寄っていることにまだどちらも気づいていなかった。

 戦前からのあきの最も重要な仕事の1つに、切符の販売があった。

 華族女学校(学習院)からの上流階級との交流を中心に、一軒一軒頭を下げて切符を買ってもらう。こうして売り歩かなければ100人の観客も集まるかどうかというのがオペラの現状だった。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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