灼熱 評伝「藤原あき」の生涯

灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(67)

執筆者:佐野美和 2019年9月1日
まだ戦争前、家族そろって洋行から帰国した頃(下関市「藤原義江記念館」提供、以下同)
 

 あきの心を粉々にしてあきの運命をも変えてしまうことになる女は、すでにあきの前に姿を現していた。

 そして夫とすでに体の関係ができていたことを、あきはまだ知らない。

 その女の名前は砂原美智子。戦後、彗星のように現れた日本オペラ界の新スターだ。あきも心から期待をし、夫・藤原義江の声や皮膚の衰えが出始めた今こそ、砂原には若さで夫の分までカバーして欲しいと期待する。

 砂原美智子はもともとの美しさをそなえていたが、数年前の結婚式の写真ではイタリアの農婦のような垢抜けない感がある。

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執筆者プロフィール
佐野美和 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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