初登場の「最新兵器誇示」で「対米」を強烈アピールした軍事パレード

執筆者:野口東秀 2019年10月2日
エリア: 北米 アジア
米軍でさえ事実上迎撃不可能とされるICBM「DF-41」も初登場だった(C)時事
 

 中国の習近平国家主席は10月1日、過去最大級の軍事パレードを実施した。

 そして同日、香港では予告通り大規模なデモがあちらこちらで発生し、過激な行動をとったとされる18歳の高校生が警察の実弾発砲で重体となるなど、対外的には異様とも言える国慶節となった。

 香港警察は4カ所で6発の実弾を発砲したようで、今後も状況次第では実弾発砲があり得るだろう。仮に死者が出ればデモのさらなる激化、長期化はほぼ必至で、香港警察だけでは対処できない事態となる可能性が高まりそうだ。それだけに、北京が一方的に戒厳令布告(武装警察部隊の介入)を断行するという見方は、香港の観測筋の間で消えていない。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
野口東秀(のぐちとうしゅう) 中国問題を研究する一般社団法人「新外交フォーラム」代表理事。初の外国人留学生の卒業者として中国人民大学国際政治学部卒業。天安門事件で産経新聞臨時支局の助手兼通訳を務めた後、同社に入社。盛岡支局、社会部を経て外信部。その間、ワシントン出向。北京で総局復活後、中国総局特派員(2004~2010年)として北京に勤務。外信部デスクを経て2012年9月退社。2014年7月「新外交フォーラム」設立し、現職。専門は現代中国。安全保障分野での法案作成にも関与し、「国家安全保障土地規制法案」「集団的自衛権見解」「領域警備法案」「国家安全保障基本法案」「集団安全保障見解」「海上保安庁法改正案」を主導して作成。拓殖大学客員教授、国家基本問題研究所客員研究員なども務める。著書に『中国 真の権力エリート 軍、諜報、治安機関』(新潮社)など。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top