
まだ戦争前、家族そろって洋行から帰国した頃(下関市「藤原義江記念館」提供、以下同)
人たらしの天才藤原義江は、舞台さながらのランデヴーを繰り返し女たちの気持ちを虜にしてきたが、やはり男が惚れる男だったと思う。
恵まれた声と容姿に、恵まれなかった家庭環境。幼少の極貧時代から一転、すねかじりのお金で欧州で贅沢を身につけ散財、米国に散らばる日系人たちから喉一つでドルをたんまり稼ぎ、こちらもすべて散財。有り金は、女、服、装飾品、渡航費、ホテル代、豪華な食事、歌のレッスン代にとすべてぶちまけた。

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