灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(73)

執筆者:佐野美和 2019年10月14日
まだ戦争前、家族そろって洋行から帰国した頃(下関市「藤原義江記念館」提供、以下同)
 

 人たらしの天才藤原義江は、舞台さながらのランデヴーを繰り返し女たちの気持ちを虜にしてきたが、やはり男が惚れる男だったと思う。

 恵まれた声と容姿に、恵まれなかった家庭環境。幼少の極貧時代から一転、すねかじりのお金で欧州で贅沢を身につけ散財、米国に散らばる日系人たちから喉一つでドルをたんまり稼ぎ、こちらもすべて散財。有り金は、女、服、装飾品、渡航費、ホテル代、豪華な食事、歌のレッスン代にとすべてぶちまけた。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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