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まだ戦争前、家族そろって洋行から帰国した頃(下関市「藤原義江記念館」提供)
昭和28(1953)年8月、第2次アメリカ公演に藤原歌劇団の団員25人は意気揚々と日本を旅立った。
マンハッタンのオペラ歌劇団「ニューヨーク・シティ・オペラ」の指揮者、戦前の日本で「NHK交響楽団」の礎を築いたと言われるヨーゼフ・ローゼンシュトック氏から再びの招聘で『蝶々夫人』を公演するのだ。その前に、アメリカの8都市でも公演をするという一大巡演ツアーだ。
第2次アメリカ公演を正式発表した6月4日の『朝日新聞』夕刊で義江はこう抱負を述べている。
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