灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(75)

執筆者:佐野美和 2019年10月27日
エリア: 北米 アジア
まだ戦争前、家族そろって洋行から帰国した頃(下関市「藤原義江記念館」提供)
 

 昭和28(1953)年8月、第2次アメリカ公演に藤原歌劇団の団員25人は意気揚々と日本を旅立った。

 マンハッタンのオペラ歌劇団「ニューヨーク・シティ・オペラ」の指揮者、戦前の日本で「NHK交響楽団」の礎を築いたと言われるヨーゼフ・ローゼンシュトック氏から再びの招聘で『蝶々夫人』を公演するのだ。その前に、アメリカの8都市でも公演をするという一大巡演ツアーだ。

 第2次アメリカ公演を正式発表した6月4日の『朝日新聞』夕刊で義江はこう抱負を述べている。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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