岩瀬昇のエネルギー通信 (188)

英「BP」元名物CEOの脱炭素化「エネルギー移行」警告

エピソード満載の著書

 きわめて官僚的な英国の石油会社だった「BP」を、米大手の「アモコ」や「アルコ」などを大胆に吸収合併し、同時に企業文化を大改革することにより世界第3位の石油会社に押し上げた有能な経営者だったジョン・ブラウンは、日本人には邦訳本『カミングアウト LGBTの社員とその同僚に送るメッセージ』(2018年9月、英治出版)により知られることになった。LGBTであることを隠そうとする気持ちから法廷で偽証したスキャンダルにより、2007年に「BP」のCEO(最高経営責任者)を辞任したブラウンは、そのビジネスマンとしての功績により爵位を付与されており、ブラウン卿と称されている。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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