金剛山観光地区を現地指導した金正恩党委員長(『労働新聞』HPより)

 

 それでは、米国務省が実務協議後に明らかにした、ストックホルムに持って行った「創造的なアイデア」や「新たな計画」とはどういうものだったのだろうか。

「創造的なアイデア」とは何だったのか

 今年2月末のハノイの首脳会談では、北朝鮮側は寧辺の核施設の廃棄と国連制裁5本の解除を提案した。国連で2016~17年に採択された北朝鮮への制裁決議は12本あり、北朝鮮はそのうちの2017年の5本だけの解除を要求する部分解除としたが、実質的には北朝鮮の貿易面での制裁を全面的に解除することを要求するものであった。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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