新・マネーの魔術史:未来篇 (7)

リブラ「規制」なら中国「デジタル人民元」が世界通貨になる

執筆者:野口悠紀雄 2019年11月1日
タグ: 中国

 

 仮想通貨リブラに対する規制当局の締め付けが、強まっている。

 他方で、中国人民銀行(PBOC)によるデジタル人民元の発行が間近だと報道されている。

 このままだと、世界の通貨主権は中国が握ることになってしまう可能性がある。

強まるリブラへの警戒

 10月18日、仮想通貨リブラについて、G7(先進7カ国)作業部会が報告書を公表した。リブラは各国の金融政策や通貨システムの安定を揺るがすリスクになる可能性があると指摘し、懸念を示した。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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