饗宴外交の舞台裏 (258)

英国「天皇国賓招待」は欧州「日本重視」拍車の証

執筆者:西川恵 2020年1月28日
タグ: イギリス
エリア: アジア ヨーロッパ
今春、エリザベス女王の招待で英国訪問が確実になった両陛下。1年に1人という「国賓」として招かれる意味とは…… (C)AFP=時事

 

 天皇、皇后両陛下が4月から6月の間をめどに、英国を訪問することが確実になった。昨年5月の即位後、両陛下が外国を訪問するのは初めてで、それも英国というのは、今日の国際政治の脈絡から示唆するものは小さくない。

「皇后の体調はほぼ万全」

 「英国訪問」の発表を聞いて、私が思ったのは2つのことだ。1つは、今上天皇、皇后が上皇、上皇后から断絶なく皇室外交を受け継ぎ、外国における国際親善活動を行えることである。

カテゴリ: 政治
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top