新型コロナから台湾を守る「蔡英文政権」の「強力布陣」と「大局判断」

執筆者:野嶋剛 2020年3月10日
エリア: アジア
世界の模範例となった蔡政権。奥が陳副総統(C)EPA=時事

 

 新型コロナウイルスへの対応が世界から称賛されている台湾の民進党・蔡英文政権。その背景には、2003年の「SARS」流行時に危機対応にあたったメンバーや、医療・感染症に詳しい人材が、現在の政権に多数入っていた強力布陣の存在がある。

 日本のように政策決定で右往左往している印象を与えて世論の批判を浴びることもなく、実態がわかりにくい北朝鮮を除いて、東アジアで最も効果的にウイルスの感染拡大を抑え込めている点が際立ち、蔡総統の支持率や台湾への国際的評価は急上昇している。

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執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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