岩瀬昇のエネルギー通信 (266)

一般投資家「保護」で「オイルETF」に取引制限は効果あるか

市場の先を読むことはプロでも難しい(写真はイメージです)
 

 日本には、好き嫌いは別として、国家と国民とのあいだに言うに言えない特別な関係があるような気がしている。

 今回の「新型コロナウイルス」感染防止策を巡る「緊急事態宣言」なるものもその一例だろう。

 国家が、あるいは地方自治体が行っていることは、基本的に自粛「要請」であり、国民はそれに応えて自粛している、というスタイルだ。欧米諸国に見られるような、違反したら罰を科すような「命令」ではない。

 老後の生活についても、国家が年金制度をもって一定程度保証しようとして、現在の仕組みが出来上がっている。国民も何となくこれに寄りかかり、安心してきた。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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