岩瀬昇のエネルギー通信 (286)

「IEA」提言に感じる「片手落ち」の疑問

「提言」を掲げる「IEA]のHP
 

 今春、石油市場を襲った数々の「事件」の「中間総括」として、筆者は「中東協力センターニュース」2020年6月号に『「地図のない航海」を続ける石油市場 「マイナス価格」の衝撃と「ポスト・コロナ」を考える』を寄稿した。

 その最終章「6.『ポスト・コロナ』の石油市場展望」の中で、次のように書いた。

 我々は当分のあいだ「新型コロナウイルス」と共に生きて行かなければならないので、「ポスト・コロナ」ではなく「ウィズ・コロナ」の時代を迎えることになろう、とし、「エネルギー移行」問題については、今回の「新型コロナ」の災禍が「追い風」になるという楽観論と「足かせ」になるという悲観論があることを紹介し、筆者は当分のあいだ「足踏み」となるだろうと見ている、と。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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