岩瀬昇のエネルギー通信 (289)

急浮上した「米大統領選」の争点「環境エネルギー政策」

執筆者:岩瀬昇 2020年7月3日
エリア: アジア 北米
EVで先行独走する米「テスラ」はついに株式時価総額でトヨタを抜いた(写真はイメージです)
 

 2016年1月、WTI原油価格が30ドルを割り込んだときに編集部から要請を受け、「価格」に焦点を絞って書き始めた『原油暴落の謎を解く』(文春新書、2016年6月)の最後を、筆者は次の文章で締めくくった(第五章 原油価格はどうなる? 小見出し:いつ上がるのか?)。

〈石油会社は各社とも、価格予測を公表はしていないが、社内において該当プロジェクトの投資決断を行う場合には、何がしかの「価格予測」を前提としている。そのプロジェクトが立ち上がり、数十年間継続して運営していく際の経済性の根拠となる「価格」だ。もちろん、毎年のように見直しを行い、たえず変更されているものと思われるが、この「価格」こそが、将来の原油価格がどうなりそうかのヒントの塊であろう。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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