
撮影年不詳ながら、義江との離婚、独り立ちを決意した頃のあき(自伝『ひとり生きる』=ダヴィッド社、1956年=より)
ぐっと体力は落ち収入も減る。
ちょっと前まで芸者だ、バーの女だと忙しかった男たちも、何もなかったかのように妻のもとにおさまりおとなしく隠居している。隠居だけならまだしも、あれだけ自分というものをもっていた男たちがすっかり妻や子供たちに感化されたような話しぶりになっている。
弱くなっていく同世代の男たちを思いながら、自分はまだまだ現役だと思う義江だ。
軽い脳溢血で入院していた義江は医者から、

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