灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(109)

執筆者:佐野美和 2020年7月12日
カテゴリ: 政治 社会
エリア: アジア
撮影年不詳ながら、義江との離婚、独り立ちを決意した頃のあき(自伝『ひとり生きる』=ダヴィッド社、1956年=より)

 ぐっと体力は落ち収入も減る。

 ちょっと前まで芸者だ、バーの女だと忙しかった男たちも、何もなかったかのように妻のもとにおさまりおとなしく隠居している。隠居だけならまだしも、あれだけ自分というものをもっていた男たちがすっかり妻や子供たちに感化されたような話しぶりになっている。

 弱くなっていく同世代の男たちを思いながら、自分はまだまだ現役だと思う義江だ。

 軽い脳溢血で入院していた義江は医者から、

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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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