岩瀬昇のエネルギー通信 (304)

トルコ「大規模ガス田発見」はエルドアン大統領の「政治的アピール」

執筆者:岩瀬昇 2020年8月24日
タグ: トルコ
エリア: 中東
冷静に分析すれば「本当?」と疑問符がつくのだが、「2023年」というキーワードで謎が解ける(C)AFP=時事
 

 なぜ「2023年にも生産開始」とレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は発言したのだろうか?

 日系メディアもこぞって報じている、トルコが黒海で大規模ガス田を発見したというニュースを読んでいて、筆者が最初に疑問を感じたのがこの点だ。

「発見から生産開始まで3年」というのは、トルコ領黒海という関連インフラがほぼ皆無な環境を考えると、とうてい無理な話だからだ。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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