半導体「中国封じ込め」に舵を切ったアメリカ

【特別企画】激動経済:「米中産業冷戦」の時代 (第1回)

2月24日、バイデン米大統領は半導体や電池など重要4品目のサプライチェーンを見直す大統領令に署名 (c)AFP=時事
世界は「米中冷戦」の時代に本格的に突入した。かつての米ソ冷戦が東西陣営への地理的分断と軍事対立が特徴だったのに対し、米中新冷戦はサイバー空間と産業競争が戦いの主舞台だ。米国、欧州、日本など主要国が最先端の製品や技術、生産設備の中国への供給や移転を厳しく制限、中国に流出した生産基盤の国内回帰と再強化を図ろうとする一方、中国は国内市場と一帯一路で成長を図る「双循環」政策で対抗する。米中冷戦は世界の産業地図、サプライチェーンをどう変えるのか。世界を揺さぶる半導体から冷戦の実相をみる。

 2021年3月23日は米国半導体産業の歴史に「反転攻勢の日」として刻まれるかもしれない。インテルのCEO(最高経営責任者)に就任したばかりのパット・ゲルシンガー氏は「200億ドル(約2兆1600億円)超を投資する2つの新工場建設」と「独立したファウンドリー(半導体の受託生産)事業の開始」を柱とする「IDM(Integrated Device Manufacturer=垂直統合型メーカー)2.0」を宣言したからだ。「IDM2.0」とは何か、を知るにはインテルが置かれた状況をみる必要がある。

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
後藤康浩(ごとうやすひろ) 亜細亜大学都市創造学部教授、元日本経済新聞論説委員・編集委員。 1958年福岡県生まれ。早稲田大政経学部卒、豪ボンド大MBA修了。1984年日経新聞入社。社会部、国際部、バーレーン支局、欧州総局(ロンドン)駐在、東京本社産業部、中国総局(北京)駐在などを経て、産業部編集委員、論説委員、アジア部長、編集委員などを歴任。2016年4月から現職。産業政策、モノづくり、アジア経済、資源エネルギー問題などを専門とし、大学で教鞭を執る傍ら、テレビ東京系列『未来世紀ジパング』などにも出演していた。現在も幅広いメディアで講演や執筆活動を行うほか、企業の社外取締役なども務めている。著書に『アジア都市の成長戦略』(2018年度「岡倉天心記念賞」受賞/慶應義塾大学出版会)、『ネクスト・アジア』(日本経済新聞出版)、『資源・食糧・エネルギーが変える世界』(日本経済新聞出版)、『アジア力』(日本経済新聞出版)、『強い工場』(日経BP)、『勝つ工場』(日本経済新聞出版)などがある。
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