
1966年9月、北京で「毛主席語録」を掲げる紅衛兵ら。文革時代に下放された習近平はそこで党務に就いており、農村で迫害された多くの都市青年とは違う体験を持っている ⓒAFP=時事
ものごとは全体像をつかむことで正確な対応が可能となる。外交も同じことだ。相手の国、相手の組織、そして交渉相手を徹底的に分析し、相手の正確な全体像をつかむことが、ベストの結果をもたらす。全体像をつかまなければ、成功に導く戦略や戦術は生み出せない。中国とどう付き合うかを考える場合も同じことが当てはまる。だが中国の全体像をつかむことは簡単ではない。中国のすべての面を理解し、それらを有機的、立体的に再構成して、中国はこうであり、だからこうなると結論づけるのは至難の業なのだ。それほど中国は複雑であり、多面的であり、しかも急速に変化している。

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