なぜ西アフリカ・サヘルでイスラーム武装組織が増殖するのか――「牧畜民」の怒りに付け込むマリのFLM

執筆者:白戸圭一 2021年10月5日
カテゴリ: 政治 軍事・防衛 社会
エリア: アフリカ
イスラーム武装勢力が浸透する背景にあるものとは(C)AFP=時事
フランス政府は9月16日、西アフリカのサヘルでテロを繰り返してきたIS系組織「ISGS」の指導者を殺害したと発表した。しかし、指導者を殺害しても、イスラーム武装勢力が浸透する根本原因を解決しない限り、テロ行為はなくならない。では、その根本原因とは何なのか。立命館大学の白戸圭一教授が解説する。

 

 筆者の手元に、色褪せた古い旅行ガイドブックがある。1990年3月1日発行の『地球の歩き方 FRONTIER 西アフリカ』(ダイヤモンド社)。対象としているのは、西アフリカの乾燥帯サヘルに位置するマリ、ブルキナファソ、ニジェールなど7カ国だ。30年前、大学生だった筆者はこの本を手に、初めてアフリカを旅した。当時のサヘルの国々は、バブルの日本で平和ボケした大学生が旅行できるほど治安が良く、だからこそ、こうしたガイドブックが発行されていたのである。

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執筆者プロフィール
白戸圭一 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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