
「財政政策検討本部」役員会であいさつする西田昌司本部長(中央)。党内では“NMT本部”と呼ぶ向きも ⓒ時事
「似たような旗を掲げていても、二つの本部は関ケ原の東軍、西軍」。
自民党議員の一人がこう解説するのは、岸田文雄首相肝いりの「財政健全化推進本部」と、高市早苗政調会長の下にある「財政政策検討本部」である。
名称の似た二つの本部の並立に至る経緯は複雑だ。
そもそも自民党には政務調査会のもとに「財政再建推進本部」が置かれており、政府に歳出改革を促す議論を進めてきた。ところが岸田政権が誕生し、高市氏が政調会長に就くやいなや、同氏は「財政政策検討本部」(=以下、検討本部)を立ち上げた。ポイントは名称から「(財政)再建」を削ったことだ。高市氏の持論、積極財政推進の拠点とする狙いを隠していない。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン