フランス大統領選「極右ルペン氏当選」なら何が起きるか

執筆者:軍司泰史 2022年4月22日
エリア: ヨーロッパ
2017年大統領選挙ではロシアの銀行から940万ユーロの資金協力が報じられたルペン氏 (C)AFP=時事
「脱悪魔化」はさらに洗練、左派支持層取り込みも画策するが、その公約を仔細に見れば極右の本質は変わらない。「反プーチン」で高まる右派ポピュリズムへの忌避感を変り身の早さで躱しつつ、「フレグジット」などフランスをEUとの衝突に導く布石を強かに準備している。

 フランス大統領選は4月24日、決選投票を迎える。4月10日の第1回投票では、極右政党、国民連合(RN、2018年に国民戦線=FN=から改称)のマリーヌ・ルペン候補が、現職で中道政党、共和国前進(REM)のエマニュエル・マクロン大統領とともに決選へ歩を進めた。17年の前回大統領選と同じ顔ぶれだが、状況はかなり異なる。マクロン氏は前回、決選で66.1%を得票、33.9%のルペン氏を退けた。世論調査によれば、今回もマクロン氏優勢だが、両者の差は数ポイントまで縮まっている。フランス政治の底流で何が起きているのだろうか。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
軍司泰史(ぐんじやすし) 1961年生まれ。1984年共同通信入社。1993~94年テヘラン、1995~99年、2008~12年パリ支局などを経て、共同通信編集・論説委員。2019年4月から青山学院大学非常勤講師。著書に『シラクのフランス』(岩波新書)、『スノーデンが語る「共謀罪」後の日本 大量監視社会に抗するために』(岩波ブックレット)、編著に『伝える訴える 「表現の自由」は今』(拓殖書房新社)、共訳書にイアン・ブルマ『廃墟の零年 1945』(白水社)がある。
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