ガスパイプライン輸送停止で欧州を揺さぶり始めたロシア

執筆者:小山 堅 2022年5月17日
エリア: ヨーロッパ
ウクライナ北東部、ハルキウのガス圧縮施設(2014年8月撮影)(C)EPA=時事
ロシア産エネルギーの供給状況には、制裁というロシア「受け身」の要素だけでなく、輸出インフラの操業妨害や輸出削減・停止というロシアのイニシアチブによる揺さぶりが強まっていく可能性がある。ウクライナのガス輸送会社「GTSOU」のガス圧送設備に発生した操業困難や、「ヤマル欧州パイプライン」の停止と今後の展開が欧州に与える影響が注目される。

 ロシアがウクライナに侵攻開始してから間もなく3カ月になる。この間、国際エネルギー情勢は地政学リスクとロシアのエネルギー供給に対する不安感で大揺れの状況が続いている。

   3月7日には原油価格が瞬間風速で130ドルを突破するなどの著しい急騰を示したが、その後は100~110ドル程度の高値圏での価格推移が続いている。欧州ガス価格は、原油高騰に合わせて一時は原油換算400ドル超の暴騰となったが、最近は同200ドル弱程度の推移が続いている。

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執筆者プロフィール
小山 堅 日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員。早稲田大学大学院経済学修士修了後、1986年日本エネルギー経済研究所入所、英ダンディ大学にて博士号取得。研究分野は国際石油・エネルギー情勢の分析、アジア・太平洋地域のエネルギー市場・政策動向の分析、エネルギー安全保障問題。政府のエネルギー関連審議会委員などを歴任。2013年から東京大公共政策大学院客員教授。2017年から東京工業大学科学技術創成研究院特任教授。主な著書に『中東とISの地政学 イスラーム、アメリカ、ロシアから読む21世紀』(共著、朝日新聞出版)、『国際エネルギー情勢と日本』(共著、エネルギーフォーラム新書)など。
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