タリバン復権1年 「アルカイダ指導者殺害」で表出した言行不一致 

執筆者:青木健太 2022年8月17日
エリア: 中東
タリバン復権「1周年」を祝うタリバン支持者たち(C)EPA=時事
アフガニスタンでのタリバン復権から8月15日で1年が経つが、米軍のドローン攻撃で死亡したアルカイダのザワヒリ指導者をめぐって、タリバンは「知らぬ存ぜぬ」の苦しい言い訳を続ける。深刻な内部対立も囁かれる。

 

 2022年7月31日午前6時18分、アフガニスタンの首都カブール市中心部で、アメリカのドローン攻撃によって、国際テロ組織「アルカイダ」のアイマン・ザワヒリ最高指導者が殺害された。アメリカ国防総省の発表によると、爆発する弾頭を用いず6枚の刃が標的を捉える空対地ミサイル「ヘルファイヤ」が使用された。殺害されたのは居宅のバルコニーにいたザワヒリ本人のみで、同居家族や民間人の巻き添え被害は確認されていない。 

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執筆者プロフィール
青木健太(あおきけんた) 中東調査会主任研究員。1979年東京生まれ。上智大学卒業、英ブラッドフォード大学平和学部修士課程修了。アフガニスタン政府地方復興開発省アドバイザー、在アフガニスタン日本国大使館二等書記官、外務省国際情報統括官組織専門分析員、お茶の水女子大学講師などを経て、2019年より現職。専門は、現代アフガニスタン、およびイランの政治・安全保障。著作に『タリバン台頭──混迷のアフガニスタン現代史』(岩波書店、2022年)、「イラン・ロシア関係の展開--イランの「ルック・イースト」政策に着目して」(『中東研究』546号、2023年1月)他。
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