「3188日」の持つ意味――安倍国葬論を考える幾つかの視点

執筆者:橋本五郎 2022年9月20日
エリア: アジア
国会前でデモに参加する人々 ©時事
安倍元首相の国葬は世論を二分し、政権の支持率下落の一因ともされる。だが、その議論には法理論的な観点と政治論的な観点、あるいは国葬の是非それ自体と他の社会問題のすげ替えなど、(しばしば意図された)混乱が起きてはいないか。

 この世では敵と味方に分かれていても、一方が黄泉の国に旅立てば恩讐を超えて厳粛に見送るのが、日本人が長い間に育んだ、かけがえのない風習である。しかし、政治の世界はそうはいかないようである。9月27日に行われる安倍晋三元首相の国葬(国葬儀)について、賛否両論が渦巻いている。メディアの世界では反対論の方が優勢のようである。私がテレビ番組で以下のような論を述べたら、テレビ局にクレームが寄せられ、身辺にくれぐれも気をつけて下さいと言われたほどだ。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
橋本五郎(はしもとごろう) 『読売新聞』特別編集委員。1946年秋田県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、読売新聞社に入社。論説委員、政治部長、編集局次長を歴任。2006年より現職。『読売新聞』紙上で「五郎ワールド」を連載するほか、20年以上にわたって書評委員を務める。日本テレビ『スッキリ』、読売テレビ『ウェークアップ!ぷらす』、『情報ライブミヤネ屋』ではレギュラーコメンテーターとして活躍中。2014年度日本記者クラブ賞を受賞。著書に『範は歴史にあり』(藤原書店)『「二回半」読む――書評の仕事1995-2011』(以上、藤原書店)『不滅の遠藤実』(共編、藤原書店)『総理の器量』『総理の覚悟』(以上、中公新書ラクレ)『一も人、二も人、三も人――心に響く51の言葉』(中央公論新社)『官房長官と幹事長――政権を支えた仕事師たちの才覚』(青春出版社)など多数。
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