ブラジル「ルーラ新政権」に期待される国際社会での信頼回復

執筆者:舛方周一郎 2022年11月10日
カテゴリ: 政治 社会
エリア: 中南米
大統領選の決選投票を制したルーラ元大統領(C)AFP=時事
ブラジル大統領選の決選投票を制したルーラ氏だが、社会の分断と議会での与野党拮抗により国内政治は難局が予想される。その一方で期待が高まるのが外交だ。ボルソナーロ政権の4年間で失われた信頼を取り戻すことができるか――。

 

 10月30日、ブラジルでは大統領選の決選投票が行われ、現職のジャイール・ボルソナーロ氏との一騎打ちの末にルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ元大統領が当選を果たし、来年1月1日に大統領に就任することになった。

 1985年の民政移管後に行われた選挙の中では最多の票数を獲得したルーラは、ブラジル初の3期目の任期を務める大統領となる。他方でボルソナーロは再選を目指して敗れた初の大統領となったが、ルーラ(50.9%)とボルソナーロ(49.1%)の得票率の差はわずか2ポイント未満であった。混乱が続くブラジル社会の統合に向けた舵取りには多難が予想されるが、ルーラ勝利は主要国の首脳からは好意的に受け止められており、ブラジル現代政治が生んだ唯一無二のカリスマに期待する声は大きい。

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執筆者プロフィール
舛方周一郎 東京外国語大学世界言語社会教育センター講師。1983年生まれ。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士後期課程修了、博士(国際関係論)。サンパウロ大学国際関係研究所客員研究員、神田外語大学専任講師を経て2020年4月より現職。専門は国際関係論・現代ブラジル政治。著書に『つながりと選択の環境政治学―『グローバル・ガバナンス』の時代におけるブラジル気候変動政策』(単著/2022年/晃洋書房)、『「ポスト新自由主義期」ラテンアメリカの政治参加 』(共著/2014年/アジア経済研究所)、『新版 現代ブラジル事典』(分担執筆/2016年/新評論)、『ラテンアメリカ 地球規模課題の実践』(共著/2021年/新評論)、『UP plus新興国から見るアフターコロナの時代―米中対立の間に広がる世界』(共著/2021年/東京大学出版会)“Brazil-Japan Cooperation: From Complementarity to Shared Value,” Authored chapters in Books, Springer, 2022.など。
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