1.米中対立は変わらない
2022年は米中関係が一段と悪化した。その主な要因は3つ。第1は中国とロシアとの接近、第2は台湾をめぐる対立、第3はゼロコロナ政策である。これらの問題に関する中国の姿勢や政策方針に対して米国内での批判が強まった。また、中国も米国に対する強硬姿勢を崩さなかった。
背景には、両国の内政事情が影響していた。中国では10月後半に第20回党大会が開かれ、米国では11月上旬にバイデン政権の評価が示される中間選挙が行われた。これらの重要な政治日程を控え、国民に対して対外的な弱腰姿勢を見せられないことが両国外交政策運営の制約となった。すなわち、両国とも内向き志向の外交が対外強硬路線を招いた。
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