Weekly北朝鮮『労働新聞』 (18)

党中央委総会は「責任集中」を避けた?(2023年6月18日~6月24日)

執筆者:礒﨑敦仁 2023年6月26日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
党中央委全体会議では議事の「司会」もせず、演説をすることもなく、「参席」にとどまった金正恩総書記(中央)[「わが民族同士」HPより]
党中央委員会全員会議拡大会議は農業を軸に自立・自力経済の推進を謳う一方、軍事偵察衛星の打ち上げ失敗を認めるなどが話題となった。特に目を引いたのは、金正恩総書記が「参席」したと報じられたのみで、演説姿も公開されなかったことだ。責任集中を避けた措置の可能性がある。『労働新聞』注目記事を毎週解読
 

 6月19日付は、16日から18日にかけて開催された朝鮮労働党中央委員会第8期第8回全員会議(総会)拡大会議について計4ページで報じた。会議では、「党中央委員会第8期第6回、第7回全員会議が提示した前進目標と戦略・戦術的原則に従って国家の利益と安全環境をしっかり守り、われわれ式社会主義の全面的発展の局面を新たに上昇させるための今年の主要政策実行状況を中間総括し、下半期の進軍道程でしっかり対策を立て、より拍車を掛けるべき重大な政策的問題を討議、決定した」とされた。

 議題は、①今年の主要政策実行のための闘いをより果敢に展開していくことについて、②教育事業を発展させるための画期的措置について、③各級人民委員会活動家の役割を画期的に強めることについて、④人民主権の強化における問題について、⑤党規律建設を深化させるための重要対策について、⑥組織問題(人事)――の六つであった。……

カテゴリ: 政治
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top