オルバン政権のブレーンに聞いた「なぜハンガリーは親ロシア外交を続けるのか」

執筆者:三好範英 2023年8月20日
エリア: ヨーロッパ
政治評論家のサバドシュ氏はオルバン首相について、「2010年の首相再任を境に、民主主義を欠いたままでも経済的に発展するロシア、中国を見て、関係を強化し始めた」と語る(C)EPA=時事
 
ウクライナ侵攻後も親ロシア的な態度を取り続けるオルバン政権。首相の外交ブレーンはその理由として、欧州連合(EU)の中で最も高いロシア産エネルギーへの依存度という経済的事情のみならず、ハンガリー独自の歴史的・民族的な価値観を語った。一方、政府に批判的な政治評論家は、国民がメディアを通じて政権に「洗脳」された結果、ハンガリーは欧州内で孤立しつつあると指摘する。

 欧州連合(EU)加盟国で唯一、親ロシアの立場を取るハンガリー。西側諸国の大勢に背いてまで、独自の姿勢を取る理由は何なのか。今年(2023年)5月、同国の首都ブダペストを訪ね、オルバン・ヴィクトル首相の外交問題ブレーンであるウグローシュディ・マールトン首相府次官補(39)に、政府の立場を聞くとともに、政府に批判的な政治評論家のサバドシュ・クリスティアーン氏(49)らにも話を聞いた。(文中の名前は姓、名の順)

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カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
三好範英(みよしのりひで) 1959年東京都生まれ。ジャーナリスト。東京大学教養学部相関社会科学分科卒業後、1982年読売新聞社入社。バンコク、プノンペン特派員、ベルリン特派員、編集委員を歴任。著書に『本音化するヨーロッパ 裏切られた統合の理想』(幻冬舎新書)、『メルケルと右傾化するドイツ』(光文社新書)、『ドイツリスク 「夢見る政治」が引き起こす混乱』(光文社新書、第25回山本七平賞特別賞を受賞)など。
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