Weekly北朝鮮『労働新聞』 (34)

金正恩動静報道なき党創建記念日(2013年10月8日~10月14日)

執筆者:礒﨑敦仁 2023年10月16日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
10月11日、康盤石革命学院に金正恩のモザイク壁画が建立されたことを報道(『労働新聞』HPより)
10日の朝鮮労働党創建記念日は金正恩の動静報道もなく簡素に終わった。12日の一面を占めたプーチン露大統領との祝電交換や、女子エリート学校のモザイク壁画に秋の収穫といった報道は、最近の北朝鮮の動向を端的に表している。『労働新聞』注目記事を毎週解読
 

 10月10日は朝鮮労働党創建78周年記念日であったが、金日成(キム・イルソン)広場で深夜に国旗掲揚式が開催されたことを同日付が報じ、金日成・金正日(キム・ジョンイル)父子の大銅像に党中央指導機関のメンバーが花籠を進呈したことを翌11日付が掲載した程度である。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の動静報道は皆無であり、キリ番の年ではないにせよ非常に簡素な印象を受けた。77周年の昨年は金正恩が蓮浦(リョンポ)野菜温室農場の竣工式に出席して民生分野での業績が誇示され、76周年の一昨年は金正恩が「記念講演会」で演説したほか、「国防発展展覧会『自衛2021』」でも記念演説を行っていた。75周年の2020年には慶祝閲兵式(軍事パレード)が初めて深夜に開催されて注目を集めた。

 12日付第1面は、最近の北朝鮮動向を端的に示すような記事が並んだ。上段には、北朝鮮とソ連間の外交関係樹立75周年に際して金正恩がウラジーミル・プーチン「同志」に送った祝電とプーチンから金正恩「同志」に送られた祝電が紹介された。……

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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