Weekly北朝鮮『労働新聞』 (42)

金正恩が「出生率の低下」に初めて言及(2023年12月3日~12月9日)

執筆者:礒﨑敦仁 2023年12月11日
タグ: 金正恩 北朝鮮
エリア: アジア
金正恩は演説で母親と家庭の役割に対する主張を繰り返し披歴した(『労働新聞』HPより)
金日成時代の1961年に始まり、今回で5回目となる「全国母親大会」が開催された。金正恩は北朝鮮における出生率の低下に初めて触れ、母親に「共産主義的母親」として子とともに「社会と集団のために献身」するよう強く求めた。『労働新聞』注目記事を毎週解読
 

 12月3日、4日の両日に第5回全国母親大会が開催されたことについての報道が相次いだ。全国母親大会の開催は、金日成(キム・イルソン)政権期に1961年11月の1回、金正日(キム・ジョンイル)政権期に1998年9月と2005年11月の2回開催されており、金正恩(キム・ジョンウン)政権下では2012年11月に続いて2回目となった。第1回大会で金日成が演説を行った11月16日は、2012年9月に「母の日」として公休日に制定されている。

 12月4日付は金正恩国務委員長による「開会の辞」の全文、5日付は演説「家庭と社会の前に担っている母親の本分について」の概要を報じ、9日付は大会参加者たちとの記念写真の様子を3ページにわたって掲載した。

 開会の辞では、「最近増えている非社会主義的な問題」や「出生率の低下」について触れられ、これらを克服するという課題は「母親たちと力を合わせて解決すべきわれわれ皆の家事」だと位置づけられた。金正恩が少子化問題に触れたのは初めてと見られる。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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