ベスビオ火山の噴火で男性の脳がガラス化 驚きの過程が明らかに

2025年3月9日
カテゴリ: 医療・サイエンス
西暦79年、ベスビオ火山の噴火によって死亡した男性の頭蓋骨の中から見つかったガラスの破片。イタリアのヘルクラネウム遺跡にて発見された(C)Pier Paolo Petrone/REUTERS
西暦79年にイタリアのベスビオ火山が噴火すると、古代ローマの都市ポンペイは火砕流により一瞬にして埋め尽くされた。同じく噴火で埋没したのが、近隣の町ヘルクラネウムだ。その遺跡で見つかったベッドの上で死亡した男性の遺体の調査では、頭蓋骨の中からキラキラ光る暗い色の破片が見つかった。

[ロイター]驚きの発見だったと調査団はいう。後の分析で、黒曜石(ガラスの一種)のような破片は、噴火の熱で男性の脳がガラス化したものであることが判明した。

 このような現象が確認されているのは、世界でこの一例のみだ。脳がガラス化したメカニズムは不明のままだったが、今回、学術誌『Scientific Reports』に掲載された新たな研究により、仕組みがようやく解明された。 

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