
石破総理「困っている人に対して厚い支援をするやり方は、本当に消費税を下げることだけなのか」(5月11日フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」)
夏の参院選挙に向け、野党各党が消費税減税に言及する中、自民党総裁・石破茂は党内の一部から求められていた「消費減税」の実施について見送る方針を固めた。石破は民放の報道番組などに出演した際、その理由について次のように説明した。
石破「消費税をガーンと下げることによって、国の財政どうなりますかってことはね、それなら“国債だ”。じゃあ、それは誰が返すのよという話になりますよね」
財源の裏付けのない消費税減税には、政権運営の責任を担う与党としては軽々に取りかかれないということを滔々と説明した。
しかし、自民党内でも当初は石破が消費減税に踏み切るのではないかと勘ぐる向きはあった。
自民党関係者「石破さんのこれまでの政治手法を考えると、最後に消費減税に乗るという可能性は排除できない」
連立を組む公明党では、斉藤鉄夫代表が食料品に限定した消費税減税について「あらゆる手段のひとつとして検討」をしていることを明らかにするなど「消費減税」を求める声は強かった。
野田が信念を曲げて消費減税を唱えるも、立憲民主は支持率低迷
風向きが変わったと感じたのは、立憲民主党の動きだった。
野田佳彦・立憲民主党代表「時限的な措置として食料品0%へ消費税を減税する方針を、先ほど(党の)執行役員会で確認した」(4月25日 定例会見)
立憲民主党は参院選挙の公約に、食料品の消費税率を原則1年間に限って0%(※現在は8%)に引き下げる案を盛り込むことを決めた。
消費税率を時限的に一律5%引き下げることなどを盛り込んだ国民民主党などと比べて、立憲の消費減税への対応はいささか“腰が重い”印象を受けた。
実は立憲民主党の内部では、103万円の壁の撤廃などを掲げ勢いに乗る国民民主党に対抗するため、消費税減税について「思い切って舵を切るべきだ」(立憲民主幹部)という声は今年初めからあった。しかし、肝心の野田が消極的だったのだ。
年初、筆者が立憲幹部と話をした際、この幹部は苦しい胸の内を明かした。

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