Weekly北朝鮮『労働新聞』
Weekly北朝鮮『労働新聞』 (133)

建国77周年、戦争特需によって経済建設・兵器開発ともに順調か(2025年9月7日~9月13日)

執筆者:礒﨑敦仁 2025年9月16日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
国家に対する大規模な宣誓式は初めてだと思われる[国旗掲揚式及び中央宣誓集会の様子=2025年9月9日](C)AFP=時事
建国77周年を迎えた北朝鮮では、金正恩国務委員長を筆頭に幹部たちが国家に対する宣誓式を行った。ロシア・ウクライナ戦争の特需により経済開発も順調と見られ、『労働新聞』では特に民生部門での成果を誇示している。これまでなら最も重視されたはずの金正恩の動静報道が国内に報じられないという現象は、依然として断続的に起きている。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

 9月9日、北朝鮮は建国77周年を迎え、万寿台(マンスデ)議事堂で「国旗掲揚式及び中央宣誓集会」が開催された。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に続いて幹部たちが、「共和国の自主権と朝鮮人民の利益を擁護し、国家と人民のために服務する責任ある一員として、人民の福利と国家の成長発展を導くことに常に無限に誠実で、共和国憲法を徹底的に守護して法的義務を厳格に履行し、社会主義理念と社会主義制度をしっかり固守して、愛する祖国に忠誠を尽くし、その偉大さと美しさを無窮に継いでいくことに対して心身ともに全力を尽くす」と宣誓した。国家に対する大規模な宣誓式は初めてだと思われる。

カテゴリ: 政治
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治外交。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、『北朝鮮を読み解く』(時事通信社)、共著・編著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)、『北朝鮮を解剖する』(慶應義塾大学出版会)など。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top