議長の「イジメ」で委員長が「引きこもり」? 共産党のやるせなさ

執筆者:林玲 2004年7月号
エリア: アジア

 共産党の志位和夫委員長は五月三十一日、約半月ぶりに党務に復帰した。「風邪による発熱のため」五月十四日に都内で入院し、退院後も療養していたのだ。市田忠義書記局長は三十一日の記者会見で、「参院選の本番に備えて大事をとっていた」と説明した。 だが、七月の参院選を前に、党のトップが風邪ぐらいで半月以上も療養するのは異常な事態だ。最初に入院したのは共産党系の代々木病院だが、そうした事実も発表されなかった。共産党らしい秘密主義といえばそれまでだが、この「療養」の陰には、本誌五月号で書いたように、志位と不破哲三議長の間の溝が広がり、志位が半ば「引きこもり」状態だったことがある。さらに、党内で五月初めに行なった参院選シミュレーションで「このままでは議席半減も」「反共攻撃の材料によってはそれ以下も」との結果が出たと伝えられることも、志位を意気阻喪させた可能性がある。党内では「失調症」との病名が囁かれていた。

カテゴリ: 政治
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