北朝鮮「共同社説」の読み方

執筆者:平井久志 2011年1月7日
エリア: アジア
第105戦車師団の施設を視察する金正日総書記。写真は朝鮮中央通信が1月4日に配信したが、実際の視察の正確な日時は不明 (C)EPA=時事
第105戦車師団の施設を視察する金正日総書記。写真は朝鮮中央通信が1月4日に配信したが、実際の視察の正確な日時は不明 (C)EPA=時事

 北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」など3紙の新年の共同社説が発表になった。共同社説は前年を総括し、その年の路線を提示する重要文献である。金日成(キム・イルソン)時代は金日成の「新年の辞」が発表されたが、金日成の死後は、共同社説が事実上、金正日(キム・ジョンイル)の「新年の辞」の役割を果たしている。  今回の共同社説は「今年、いま1度、軽工業に拍車をかけ、人民生活の向上と強盛大国の建設に画期的な転換をもたらそう」と題されたもので、北朝鮮が「強盛大国の大門を開く」としている2012年を前に、軽工業に重点を置いて、人民生活の向上を訴えたものだ。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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