サントラム撤退でロムニーが大統領候補指名獲得へ

執筆者:足立正彦 2012年4月11日
エリア: 北米

 今月10日、共和党大統領候補の指名獲得を求めていたリック・サントラム元上院議員(ペンシルベニア州)はペンシルベニア州ゲティスバーグで記者会見し、選挙キャンペーンの停止を発表した。今月24日に行なわれる地元ペンシルベニア州予備選挙を2週間後に控えた中での突然の撤退表明となった。サントラムの撤退表明により共和党大統領候補はミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事に事実上決まった。

 サントラムは表向き難病に苦しむ3歳の愛娘の入院を撤退理由に挙げているが、最近、ペンシルベニア州で実施された複数の世論調査でサントラムはロムニーにリードされる結果が相次いで明らかになっており、ペンシルベニア州予備選挙での苦戦が予想される中、地元で屈辱的な敗北を喫し、今後の政治生命に致命傷となることを避けることが、撤退を決断した最大の理由であったことは間違いないであろう。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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