仏大統領選展望・国民戦線の不気味な足音

執筆者:国末憲人 2012年4月16日
エリア: ヨーロッパ

 今回のフランス大統領選の前半戦を彩るのは、何と言っても左翼メランション氏の躍進だ。当初は泡沫と見られていたものの、共産党やトロツキストだけでなく、社会党に飽き足らない左派の広い支持を受けて、現職サルコジ氏、社会党オランド氏に続く「第3の男」の地位を確立した。今後の政策論争にも大きな影響を与えるに違いない。


一方で、右翼「国民戦線」はいま一つぱっとしなかった。今回は、これまでのジャンマリー・ルペン氏から党を引き継いだ三女マリーヌ・ルペン氏が初めて臨む大統領選だ。15%前後の支持を得ているからまずまずと言えるのだが、ルペン父が決選に進出した2002年の時ほどの勢いはない。これだけ見ると、国民戦線の党首の代替わりは、今のところ可もなく不可もなく、といった感じである。

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執筆者プロフィール
国末憲人 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長を経て、現在は朝日新聞ヨーロッパ総局長。著書に『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)など多数。新著に『テロリストの誕生 イスラム過激派テロの虚像と実像』(草思社)がある。
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