米大統領選「人工妊娠中絶」をめぐる攻防

執筆者:足立正彦 2012年10月12日
エリア: 北米

 ミット・ロムニー共和党大統領候補は女性有権者の間での支持率がバラク・オバマ大統領のそれよりも低く、男性有権者との間で大幅な格差が生じる、所謂「ジェンダー・ギャップ」が存在しているのではないかとの議論について、かつて取り上げた(8月30日「『ジェンダー・ギャップ』に直面する共和党正副大統領候補」)。だが、10月3日にコロラド州デンバーで行なわれた第1回大統領候補討論会のあと、女性有権者の間でのロムニー支持が大幅に改善しつつあることが最近相次いで公表された各種世論調査結果で明らかになっている。

 世論調査会社ピュー・リサーチ・センターは、第1回大統領候補討論会が終了した翌4日から7日までの4日間に実施した最新世論調査を今月8日に公表したが、女性有権者の間でのロムニー支持がオバマ支持と全く互角の47%に達した。ピュー・リサーチ・センターが9月19日に公表した前回世論調査では、女性有権者の間でのオバマ、ロムニー両候補の支持率はオバマ56%、ロムニー38%と実に18ポイントもオバマ大統領が優位だった。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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