80時間世界一周 (3)

キオスクで買えるカラシニコフ

 見知らぬ町を訪れると、かならず足を運ぶ場所が二カ所ある。一つは中央駅で、二つ目がマーケットだ。お目当ての中央駅がない町ならば、バスのターミナルを覗く。 中央駅やバス・ターミナルに佇んでみると、その町の規模や地理的な広がり、さらに市民生活の断片をつかむことが出来る。肉、魚、野菜、穀物、香辛料、花、雑貨品を並べるマーケットも同じだ。緑黄色野菜が鮮やかな色彩を競いあうマーケットか、それとも土色のジャガイモが幅を利かせているかで、食生活の豊かさの度合いを垣間見ることができる。民族の生活史や社会史も端的に表している。

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執筆者プロフィール
竹田いさみ(たけだいさみ) 獨協大学外国語学部教授。1952年生れ。上智大学大学院国際関係論専攻修了。シドニー大学・ロンドン大学留学。Ph.D.(国際政治史)取得。著書に『移民・難民・援助の政治学』(勁草書房、アジア・太平洋賞受賞)、『物語 オーストラリアの歴史』(中公新書)、『国際テロネットワーク』(講談社現代新書)、『世界史をつくった海賊』(ちくま新書)、『世界を動かす海賊』(ちくま新書)など。
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