旧ソ連の大物スパイ、リヒャルト・ゾルゲが処刑されて十一月七日で六十周年。ロシアではテレビが特別番組を編成、ゾルゲを称える書籍も次々出版され、ゾルゲ・ブームが起きている。国営テレビはゾルゲを愛国者と称え、NTVテレビはゾルゲの独ソ開戦情報を無視したスターリンを批判的に扱った。 ブームの背後には、旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身者が中枢を占めるプーチン政権がある。政府筋によれば、プーチン大統領がKGBを志したのは、フランス製作のゾルゲ映画を見たことが契機だとされ、個人的にゾルゲを敬愛しているとの説も。

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