「消去法で誕生した会長ですから、頼りなさは否めませんね」 あるNHK幹部はそう苦笑する。一月二十五日に「前倒し辞任」した海老沢勝二前会長の後継は技術畑出身の橋本元一前専務理事。永田町で下馬評にのぼったのは年明けからだったが「急浮上」にはワケがあった。 冒頭の幹部は「海老沢は高齢の笠井鉄夫前副会長(経理担当)のワンポイント起用を考えていた」と明かす。「側近の筆頭格だった諸星衛理事をNHK出版など関連会社に出し、自分は顧問として院政を敷いて、ほとぼりが冷めた頃に諸星を専務理事として復帰させるハラだったようです。これは島桂次元会長に追放された海老沢自身が辿った復権コースで“次の次”を諸星にする計画」だったが、顧問辞退で潰えた。

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