国際人のための日本古代史 (40)

歴代天皇の多くは参拝せず――伊勢神宮の謎(承前)

執筆者:関裕二 2013年7月8日
タグ: 日本
エリア: アジア

 伊勢神宮の裏側には、これまで語られることのなかった秘密が埋もれているし、大きな誤解がある。実際には、7世紀後半に整備された「新しい神社」であり、「祭神・天照大神(あまてらすおおみかみ)は女神」という話も、真っ赤なウソだ。

 これは個人的な意見だが、伊勢神宮は張りぼてで中身がないように思う。そして、もともと「実」がないからこそ、過度の演出が用意され、威厳に満ちた祭祀を日々繰り広げているのだろう。

 

「元伊勢」と呼ばれた檜原神社

 三輪山のふもと、「元伊勢」と呼ばれた檜原神社(筆者撮影)
三輪山のふもと、「元伊勢」と呼ばれた檜原神社(筆者撮影)

 神祇祭祀(神道)の本質を知りたければ、伊勢神宮ではなく、三輪山(みわやま)のふもとの檜原(ひばら)神社(奈良県桜井市)に行けばいい。神を祀るには、依代(よりしろ)と注連縄(しめなわ)だけあれば、十分だったのだ。檜原神社が「元伊勢」と呼ばれているのは、大昔、ここで伊勢の神を祀っていたことがあったからだ。伊勢神宮のような立派な社を造るようになったのは、仏教寺院の影響を受けたからなのである。

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カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
関裕二 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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