大統領に対する強硬派の支持は根強い。核問題交渉をめぐる思わぬ“勝利”に我が意を得たりと、さらなる強硬路線を歩む懸念も。 十二月十一日、イラン国会がバジリハマネ石油相代行の石油相就任を承認し、イランの全閣僚メンバーが政権発足四カ月にしてようやく確定した。アフマディネジャード大統領が指名した石油相候補は四人目。汚職一掃を公約に掲げて大統領選を戦い、大衆の支持を得たアフマディネジャードにとって、旧来の利権の絡む石油相の人選で躓いたことは無念であったはずだ。 定数二百九十のイラン国会の中で、「保守派」とされる議員の数は二百程度を占めている。政治的立場を色分けすれば同じく「保守強硬」とされる大統領が今これだけの逆風に遭っていることは、イランの内政がハタミ前大統領時代の「保守対改革の二極対立」から大きく変化したことを示している。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン