日本では米中央情報局(CIA)長官の公式の肩書が変わったことはあまり知られていない。情報機関改革法の成立以前は、正式には中央情報長官(DCI)と呼ばれていた。しかし、今の肩書はDCIAである。Dは長官のDだ。 DCIは形式的には、全部で十五ある米国の情報機関すべてを束ねていたが、それに代わって国家情報長官(DNI)が登場したため、CIAだけを率いるCIA長官に“成り下がった”というわけだ。毎朝の大統領への情報ブリーフィング(PDB)もDNIがやる。CIA長官は幅広い権限と大統領へのアクセスを同時に失ったのである。

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