中国の胡錦濤国家主席が四月十八日から二十一日まで米国を訪問し、ブッシュ米大統領と首脳会談を行なった。この首脳会談はもともとは昨年九月に予定されていたが、ハリケーン「カトリーナ」被害と重なったため米側の要請で延期され、今回はその仕切り直しだった。 ただ当初から、訪問の性格について米中間の認識は食い違っていた。中国が国賓訪問にこだわったのに対し、ブッシュ大統領はテキサス州クロフォードにある私邸兼牧場での会談を望んだ。米中間の政治、経済、安全保障をめぐる数々の懸案について、サシでじっくり話し合いたいと考えたからだ。しかし守勢に立たされるのを嫌った胡主席はこれを拒否した。

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