饗宴外交の舞台裏
饗宴外交の舞台裏 (193)

「一夜で2回の夕食」オランド仏大統領の苦肉の策

執筆者:西川恵 2014年6月16日
 オランド大統領の苦衷が窺える           (C)EPA=時事
オランド大統領の苦衷が窺える           (C)EPA=時事

 反目する2人の仲を取り持つため、間に立った人が3人での食事会を呼びかける。しかし2人は「あなたとはいいが、奴とは嫌だ」と言う。都合がつくのは一夜しかない。間に立った人はどうするか。食事会を見送るか、2人と時差をつけて別々に食事するか――。

 フランスのオランド大統領が選んだのは後者、すなわち一夜に2回食事をすることだった。反目する2人はオバマ米大統領とプーチン露大統領である。

 

最初にオバマ大統領

 ノルマンディー上陸作戦(1944年6月6日)の70周年記念式典を翌日に控えた6月5日午後7時すぎ、パリの凱旋門近くにある1つ星レストラン「シベルタ」に黒塗りの車が横付けされた。防弾の特殊装備の大型車から降り立ったのはオバマ大統領。出迎えのオランド大統領と握手をし、物見高い人垣に手を振りながら店内に入った。

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執筆者プロフィール
西川恵 毎日新聞客員編集委員。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。著書に『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。5月16日、新潮新書から『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』 を刊行。
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池内恵の中東通信

池内恵(いけうちさとし 東京大学教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について日々少しずつ解説します。

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