1990年代後半、米国のクリントン政権がコソボ問題に没頭していた頃、共和党系学者が「下手なサッカーチーム」と揶揄したことがあった。大統領以下、すべてのプレーヤーがコソボという1つのボールに群がり、外交ゲームの組み立てや戦略、守りが疎かにされたためだ。永田町や霞が関、それにメディアが、動き始めた拉致問題に群がる現在の状況も「下手なサッカーチーム」かもしれない。たとえば、もう1つの懸案である日露外交はウクライナ問題の煽りもあって疎かにされ、11月のプーチン大統領訪日は現状では延期の可能性が出てきた。

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