大激戦のインドネシア大統領選挙(上)「庶民派ジョコウィ」勝利の舞台裏

執筆者:川村晃一 2014年7月31日
エリア: アジア
 ジャカルタのスンダ・クラパ港の船上で当選演説を行ったジョコウィ氏 (C)AFP=時事
ジャカルタのスンダ・クラパ港の船上で当選演説を行ったジョコウィ氏 (C)AFP=時事

 インドネシアの大統領選挙は、国民目線に立ちオープンな政治を進めるという新しい政治指導者像を提示したジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)と、強い指導力で国民を先導する伝統的な政治指導者像を提示したプラボウォ・スビアントという対照的な2組の候補者が、最後まで激しい争いを展開した。7月9日に行われた投票では、ジョコウィが6.3%の得票差でプラボウォを破り当選を決めた。庶民出身の候補が元軍人のエリート候補を破って、インドネシアの第7代大統領に就任することになったのである。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
川村晃一(かわむらこういち) 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 海外調査員(インドネシア・ジャカルタ)。1970年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、ジョージ・ワシントン大学大学院国際関係学研究科修了。1996年アジア経済研究所入所。2002年から04年までインドネシア国立ガジャマダ大学アジア太平洋研究センター客員研究員。2024年からインドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN)客員研究員。主な著作に、『教養の東南アジア現代史』(ミネルヴァ書房、共編著)、『2019年インドネシアの選挙-深まる社会の分断とジョコウィの再選』(アジア経済研究所、編著)、『新興民主主義大国インドネシア-ユドヨノ政権の10年とジョコウィ大統領の誕生』(アジア経済研究所、編著)などがある。
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