国際人のための日本古代史 (54)

蘇我稲目と「2人の高句麗妻」

執筆者:関裕二 2014年9月10日
タグ: 国連 日本
エリア: アジア
 公開された都塚古墳
公開された都塚古墳

 階段ピラミッドのような奇妙な古墳が出現した。奈良県高市郡明日香村の都塚(みやこづか)古墳だ。

 蘇我馬子(そがのうまこ)の墓と思われる石舞台古墳の東南400メートルの高台にある。6世紀後半の築造で、一辺40メートルを超える大形方墳ということもはっきりした。発掘調査をした明日香村教育委員会と関西大考古学研究室が、先月発表した。

 墓の主は蘇我馬子の父・蘇我稲目(いなめ)であろう。根拠はいくつかある。まず、築造の年代があっている。さらに、この一帯が蘇我氏とゆかりの深い土地であること。そして、階段状の墳墓は高句麗の様式と思われるが、蘇我稲目のふたりの妻は、高句麗から渡来したことなどからだ。

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執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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