習近平総書記の時代に入り、「中国の夢」や「中華の復興」が掲げられるようになると、中国の外交姿勢には、次第に覇権主義的な色彩がにじみ始めた。その結果、中国の政権構造を決めるものは、国内要因がすべてであるという考え方が中国の内部で強まった。振り返れば、中国が外国の勢力から圧迫されてきたのは、近代史をめぐる19世紀の中葉からのおよそ100年間であって、米国や旧ソ連の軍事力におののいていた時期も、1970年代に入っての米中関係の好転を背景に終了した。中国政府が今日に至るまでキッシンジャー・アソシエイツに少なからざる実質上の顧問料を払い続けているのは、この時点における中国の対外的立場の飛躍的有利化の実現に力を貸したキッシンジャーの役割を、中国側が歴史的なものとみなしているからだ。

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