「メーク・イン・インディア」に異論唱えるラジャン中銀総裁

執筆者:緒方麻也 2014年12月29日
タグ: 中国 インド
エリア: アジア

 ナレンドラ・モディ・インド首相による経済改革の「目玉」とも言える輸出・製造業振興イニシアチブ「メーク・イン・インディア(インドでものづくりを)」に対し、金融政策を取り仕切るインド中銀(RBI)のラグラム・ラジャン総裁が、冷静だが厳しい注文をつけた。

 

「メーク・フォー・インディア」

 世界的なエコノミストとして知られるラジャン総裁は、12月12日に開いたインド商工会議所連盟(FICCI)主催の記念講演会に登壇し、「製造業のような特定のセクターだけをテコ入れする政策には危うさを感じる。中国で成功しているからといって、インドの置かれた状況は異なる。どんな策が有効か現実を見極めて対応するべきだ」と主張。インドは国内需要にフォーカスし、モノとサービスの統合税(GST)の導入による国税・地方税の一本化などで取引コストを削減し、国内市場の統合を図るべきだ、との持論を展開した。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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